コンクリート低圧注入の部屋
エポキシ樹脂クラック自動低圧注入器
このHPの最終更新日 2012/12/7
グラウトの漏れの止め方について検索があったのでUPしました。
コニシのE−2800についての検索が多いのでUPしてみました。
最近「シリンダー注入や下地補修の価格」について検索している人が多かったので「さわり」だけUPしました。
この部屋は、コンクリートクラック(ヒビ)補修方法のひとつである低圧注入について考える為に樹脂接着剤注入施工技能士・ビルディングドクターの「ばさ」が個人運営しています。そのため、ばさ個人の主観が入る事をご容赦下さい。又、現在この部屋は少しずつですが内容を追加しています。皆様がどんな情報を必要とされているかを確認しながら徐々にデータを増やして行く予定です。
あ
か
さ
た
低圧注入
な
は
剥落
ま
無収縮モルタル(グラウト)
や
ら
わ
英・数
コニシ E−2800(PDFカタログはコニシのHPで拾えますが登録が必要なのでお急ぎの方はこちらから)
低粘度水中硬化型エポキシ樹脂
クラックから水が出ている時に使用します。けれど、湿潤面に塗布してもあまり良い結果は期待できません。「水中で硬化する」のが特徴ですが、
メーカーでは「注入材」と位置付けされ、基本的に充填するための材料です。低粘度(E−206くらいかな?)比重1.2、設計価格4400円/kg
価格について
「価格」について検索が多かったので、ここにUPします。価格は、元請け業者→ 発注者、下請業者→元請け業者やその数量によって大きく差が出ます。又、材料の値上げ等も価格に反映され、最近(2008.12月現在)材料の値上げも有ったので、参考程度に見て下さい。
ここに上げる価格は、今年の7月某元請け業者が、マンション管理組合に出した「競争入札を経て契約」を交わした時の価格です。
ひび割れ補修 幅0.3mm未満 | 下地調整材擦り込み処理 | 503.6 | m | 250 | 125,900 |
ひび割れ補修 幅0.3mm以上 | エポキシ樹脂注入工法 | 302.2 | m | 3800 | 1,148,208 |
モルタル浮き部補修 | エポキシ樹脂注入ピンニング工法 | 100.7 | u | 4800 | 483,360 |
欠損部補修 | エポキシ樹脂モルタル充填工法 | 144 | 箇所 | 1,500 | 216,000 |
鉄筋爆裂補修 | エポキシ樹脂モルタル充填工法 | 144 | 箇所 |
1700 |
244,800 |
旧塗膜剥離部補修 | 補修跡・塗膜剥離部段差修正 | 705.0 | u | 1300 | 916,552 |
※2行目がシリンダー注入です。
ブリージングを押さえるプライマーたち
ブリージング防止プライマーとか可塑剤
コーキングの撤去工具はドイツ ファイン社製とリョービ、その他色々。基本は2種類。電動orエアで振り子振動型、電動orエアで前後振動型(リンク先は千代田商会)
どちらも、どれも一長一短。3Mが出したスピンカッターが良く売れてると聞いて試してみようと思ってます。←リンク先には、実演の動画が有ります。一度ごらんあれ、シール屋さん必見!!
ハマタイト(横浜ゴム ハマタイト事業部)が出してるクラック注入工法です。Uカット工法のUカットしない版です。Uカットしない分、接着面積を確保するために空気圧を利用してクラック内部にシール材を直接注入します。質量の少ない分、材質を弾性エポ=1成分形 弾性エポキシ樹脂(エポソフトグラウト)にすることで能力UPをねらっています。コニシのボンドOGS工法と似ています、うーんと似ています。どこがちがうねんてくらい似ています・・・
土木工事で、基礎や岩盤の割れ目やすきまに、支持力増大・漏水防止などのために注入する、セメントペースト・モルタル・薬液などのこと。
上記のセメントペーストを隙間に入れる方法・工法のこと。建築では、柱のジャンカや機械据え付け時のプレート・架台の空隙を埋めるために使うことも有ります。
セメント+水のこと だけど、建築に使うグラウト注入剤は、隅々まで行きわたるように流動性が高く、収縮しにくい、無収縮モルタルを使います。
圧縮強度に対して有効な補強材料として、「無収縮モルタル」の充填が有ります。モルタルと呼ぶからには、粗骨材の入っていないもので、非常に流動性に富んだ材料で大きな空隙から小さなクラックまで良く詰まります。但し、普通の仮枠では適切な施工は出来ません。一つには、前述のように流動性が非常に良いため、小さなクギ穴や狭い隙間からも容易に流れ出してしまします。そのため穴や隙間には、丁寧にウエスなどを詰め込む必要が有ります。もう一つ、これも流動性に起因しますが、仮枠にかかる力がコンクリートよりも大きくなるため、普通の単管等では持ちこたえられなくなる恐れが有ります。角パイプのダブルをかますくらいのしっかりした仮枠が必要です。
材料は、デンカ(電気化学工業)の「タスコン」(プレタスコン=プレタス)が有名でほぼ代名詞化しています。(くわしくは、ココで)
無収縮モルタルを充填し始めたら「そこかしこから漏れ出した」なんてことはミンナ経験してるんではないでしょうか?上でも述べましたが、無収縮モルタルは流動性が高く、一度漏れ出すとなかなか止まりません。漏れている場所にもよりますが、一番簡単で確実なのは、乾いたウエスを詰める方法です。この方法は流動性の高い無収縮モルタルの水分をウエスで吸い取り、水分を無くすことによりその部分の流れを止めることが出来ます。(止まらない場合もあります。又、一度止まったところが内側から水分補給を受け再度流動する可能性が有ります。)
コーキング用攪拌機(日本ソセーと言うメーカーでの本名は、「コーキング材専用ハードミキサー」です)
コーキング材は大きく1液型と2液型に分かれます。このうち2液型は、機械で攪拌します。昔は、手で攪拌していましたし、現在でもシーリング試験などでは手練です。現場でシールの職人さんがよく使っているのが、日本ソセー工業のModel AR-300型です。(但し、現在は、このモデルはメーカーのカタログから外れています。Model AR-U型に替わったのでしょうか?)
マンション系改修(大規模修繕)工事
下に紹介した「マンションの改修」の中で出てくるヒアリングに本日行ってまいりました。当該マンション近くの自治会館のような所で朝9:00から30分の予定。会社としての取り組みやアピール、質疑応答、最終出し値などを粛々と行います。工事の主な内容は、仮設・下地補修・塗装・屋上防水・バルコニーシート張り他で、ごく一般的な改修です。私の所属する会社が一番目、その後別の会社と続きます。うちの会社は、最後に50万円の値引きを告げて、退出。外は穏やかな春の風景で、入り口の桜の古木はこれ以上開くと散るぞっくらい満開で、その下で私たちは、次の業者とすれ違います、軽く目線を合わせて、軽く会釈して。近所に駐車場がないので少し遠くに止めた車まで坂道を下ります。
この「ヒアリング」を経て業者が選定されます。下にも書きましたが、業者選定は値段だけでは決まりません。要領書などにより工法は同じだとして、金額が同じならどうやって業者を選ぶのか?考えられるのは、「実績」「会社の大きさ」などです。ヒアリングはこの他に出席した各住民の主観も加味されます。「やさしそう」だとか「くわしそう」「頼れそう」などさまざまな主観が選択要因に取り入れられます。
着工までの流れ
現在、多くのマンションが改修工事を経験していると思います。ここでは、実際の改修の手順の流れを追ってマンション改修を検証してみます。まず、マンション改修の流れですが、管理会社が入っている場合、専門の委員会を設置する場合など、条件がいろいろなので、一概に決めることは難しいのですが、ここでは「よくあるパターン」として例を上げてみたいと思います。
1 工事内容の選定(ここでは、予算を考えずに住民から多くの意見を出してもらうことが大切です。又、普段はみたことの無い、屋上やポンプ室・電気室なども確認します)
2 工事内容の仮決定(数社による入札や後に出てくるヒアリング等の基礎となる、基本の工事内容を決定します。)
3 下見積もり書・見積もり要領書の作成(これは、しっかりした管理会社が入っていれば、その会社が作成してくれます。入っていなければ、設計会社等に料金を支払って作ってもらうことも可能ですし、ビル改修の建築知識のある住民がおり、ひな形が有れば、管理組合で作成することも不可能ではありません。この段階でおおまかな予算を算出し、先で、工事内容の見直しの可能性も見据えて下見積もりを作成します。)
※見積もり要領書=改修工事には、さまざまな工法・材料が有り、業者がさまざまな工法で見積もりを出してくると値段を比べることが出来ません。そのため、統一した見積もりを作成するためにこの要領書を作成します。
※下見積もり書・見積もり要領書のひな形=最近では、多くのマンションが当たり前に改修を行っています。最近改修工事を行ったマンション等から、その時の施工要領書・内訳明細書などを借りればりっぱなひな形として使用できます。このとき、マンションの規模・工事内容などが似ていれば、ベストです。
4 業者の選定(工事内容に応じた業者を選びます。会社の規模、マンション改修の経験量、近隣での施工例など選定基準を設けて、住民の知り合いや知り合いからの紹介、管理会社の推薦など、さまざまな方法で業者をピックアップし、各社に工事内容等を通知し、参加の意思確認を行います。)
5 業者による現地調査(日程を決め、参加意思を示した業者に自分たちのマンションを下見してもらいます。工事内容によっては、屋上や個人の室内・バルコニーなどを見せる必要が有ります。
6 質疑・回答(業者から、現地調査時等に発生した質問を受けてそれに文章で回答します。)
例 質疑回答書
1既設塩ビシートに変色が見られますが張り替えの必要はないでしょうか。御教示ください。→無いものとして計上下さい。
2西側通路の街灯が錆びております。項目は見当たりませんが、施工範囲外と考えてよろしいでしょうか。→参考見積もりとして計上して下さい。
3アルミ建具クリーニングについて、仕様を御教示ください。→水拭き程度とします。
7 見積もり書提出・第1回業者選定(業者から見積もり書を提出してもらい、金額から数社に絞り込み、結果を各社に通知します。この後のヒアリングを考えると3〜5社程度でしょう。)
8 ヒアリング・プレゼンテーション(7で選出した業者に来てもらい、会社の取り組みや姿勢、金額の再提示、、プレゼンを行ってもらいます。各社30〜1時間程度で個別に来てもらいますから、A社は9時〜10時、B社は10時〜11時など時間を区切って通知しておきます。この時、担当予定の現場代理人≒監督にも来てもらい質問などで能力を見極めます。「良い工事」が出来るかどうかは、この監督にかかる部分が大きいのです。)
9 業者決定・通知・契約(業者は、最終的に8のヒアリングで決定します。つまり値段の安いところに決めるわけでは有りません。値段は当然安ければ安いほど良いのですが、安かろう、悪かろうでは財産価値が大きく下がり、生活や今後の改修計画にも支障が出ます。信頼のおける業者・信頼のおける監督・信頼のおける材料を選択し、なおかつできるだけ安く。決定したら各業者に通知し、決定した業者と工事契約を結びます。契約書は、業者が用意し、必要で有れば管理会社の立会、工事管理契約を管理会社と結びます。)
10 工事説明会(工事の説明会を工事業者主導で行います。工事業者は事前に工事説明会資料を各戸に配布しておきます。住民は前もってこれに目を通し、説明会には出来るだけ出席します。工事業者は、工事の流れ、工事内容・住民への御願等をこの説明会資料に基づき説明します。管理会社に管理を委託した場合は、管理会社の建築担当も出席し、工事業者に対して質問や確認を行います。最近は、子供向けの工事説明会もあります。)
11 着工
建築仕上診断技術者 −ビルディングドクター(非構造)−について
外壁の診断基準は、平成2年に出された、建設省住宅局(現国土交通省住宅局)建築技術審査委員会「外壁タイル等落下物対策専門委員会」が出した、「剥落による災害防止のためのタイル外壁、モルタル塗り外壁診断指針」及び「タイル外壁等剥離防止のための設計・施工上の留意事項」にまとめられました。この指針と共に外壁診断技術者の育成方策の提言が有り、社団法人 建築・設備維持保全推進協会(BELCA)が認定事業を開始しました。(一部講習テキストより抜粋)
要するに、外壁の非構造部分は、落下して危ないものが有るので、それらを誰かに管理させようと言うことです。これは、平成元年11月に北九州市で起こった災害(公団住宅の外壁仕上げ部分が8.5m×5mの大きさで地上30mの高さから落下、死者2名、重傷者1名)が発端です。
現在ビル管理責任は、大抵オーナーに有ります。(管理組合、自治会、管理会社等含む)つまり、例えば外壁の仕上げ部分が落下して、通行していた第三者に当たった場合、賠償責任はオーナーに有るのです。マンション等では管理組合や自治会などがそれに当たることが多いのではないでしょうか。実は、都市再生機構等は、前述の事故をきっかけに専門チームを作り維持保全に取り組んでいます。北九州市の事故前後から18年9月まで、剥落事故は、ある資料によると106件。内死傷者は36件。貴方のビルやマンションは大丈夫ですか?
「剥落による災害防止のためのタイル外壁、モルタル塗り外壁診断指針」より抜粋
災害危険度の大きい壁面を持つビルは定期的外壁診断及び臨時外壁診断を実施しなければならない。なお、災害危険度の大きい壁面以外の壁面についても、本指針に定める定期的外壁診断及び臨時外壁診断を実施することが望ましい。
つまり、もし貴方の持っているビルやマンションが「災害危険度の大きい壁面を持つビル」ならば、この診断をせずに事故が有った場合、管理を怠ったとなる訳です。罰です、責任です、賠償です、、、、
貴方のビルは「災害危険度の大きい壁面を持つビル」に知らぬ間になっていませんか?
次に更新するときは、災害危険度の大きい壁面を持つビルってどんなビルなのか説明したいと思います。
更新を待てない方は「日本建物診断協会」HPへどうぞ
(けっこう、どこにでもある壁です。公団住宅や、市営住宅なんかはほとんど「災害危険度の大きい壁面を持つビル」です。
例えば、貴方のビルが5階建てのモルタル仕上げやタイル仕上げのビルなら、壁から6〜7m以下の距離に庇や防護棚が無い一般通路や道路があれば「災害危険度の大きい壁面を持つビル」の可能性が有ります。
低圧樹脂注入工法協議会には、現在7社の登録が有り、バネ・風船・ゴム・空気等、さまざまな加圧方式の自動低圧注入器が存在します。
どの製品にも一長一短が有り、全てを使った訳でも無いので、偉そうな事は言えないのですが、お叱り覚悟で個人的主観で言ってしまえば、どうやらコニシのボンドシリンダー工法が多く使用されているようです。アサヒボンドのスクイズ工法も形状はコニシと違いますがゴムで加圧する方式です。
財団法人環境保全センター刊の「建築改修工事監理指針」4.3.3樹脂注入工法 (建設大臣官房官庁営繕部監修平成10年度版)によると「自動式低圧エポキシ樹脂注入工法を用いると、各器具の残量を計量することにより、正確な数量が容易に記録できる。」 と有ります。確かにシリンダー1本分以内の量だと記録も容易ですが、シリンダー施工者なら同じ箇所に数本分入るクラックを必ず経験しているはずです。
低圧注入の過去
最初、シリンダーを使い廻すミクロカプセルと使い捨てるコニシのシリンダー工法の一騎打ちにバルーンやエア加圧が参入し幾多の注入工法が明滅しました。しかし、使い捨てと思われたコニシのシリンダーが数回の再生が可能と分かると、そのフットワークの軽さに加え剥離シールONEに因る下地が痛みにくいシール材の開発も手伝って、市民権を獲得したようです。
浮き注入では、現在でもグリスガンによる圧注が行われています。メーカーでは、友定建機が有名。
私が注入を始めたころには、まだ低圧注入は存在せず、グリスガンによる浮き注入か、Xカット(そのころは、[Uカット]ではなく[Vカット]だったんです)+コーキングが外壁補修の主役でした。
クラックスケール。このスケールはもらい物ですが、現在ホームセンターで500円弱で売ってます。
←これは、ネットで売ってる280円(税別)のもの。画像をクリックすれば売ってるHPに飛びます。
現在、クラックスケールや打診棒は、ホームセンターでも売っています。これは、「コンクリートのクラック」が一般に認知された、少なくとも、工事業者の中には浸透し出したと考えられます。
ゼネコンからクラックの補修依頼が止水から補強に変わってきた頃にも、クラックに2mm幅のテープを貼りまくってパテで目詰めし、テープを剥がしてゴムチップをグリスガンの先に装着し注入する工法が唯一の補強工法でした。しかも、この工法はパテントの関係で簡単に使用することはできませんでしたから、依頼に応えることも難しい状況でした。
上にも記しましたが、グリスガンで注入する方法では、高圧で短時間に多くのエポキシ樹脂を注入する必要が有ります。これは作業コスト面が大きく関係します。一箇所を一人の人間が注入するわけですから、長時間かければそれだけ多くのコストがかかります。クラックに樹脂をより確実に、隅々まで注入しようとする時、長時間硬化しない樹脂をじっくり注入する方がより高い効果が得られます。現在多くの施工業者が、シリンダー注入を行うのは、高い施工精度と低コストが要因と思われます。
では、何故、「低圧」なのでしょう。高圧で注入するためには、座金やシール材の接着強度をより高い物にする必要があります。これは、下地を傷めるだけで無く、シールの破裂やシリンダーからの液漏れ等、注入精度そのものを下げる可能性も有ります。このため、低圧が主流になっています。
低圧注入の業者は、最近ネットでも見受けられるようになりました。材料メーカーが工業会等を形成しネットに一覧をUPしていたりします。(例 コニシ ベステム工業会 ・アサヒボンド工業会等)
低圧注入剤の多くはエポキシ樹脂を主成分とした2液硬化型です。硬化時の質量の変化が少ない等、2液硬化型は、注入に適した材料です。各社数種の材料を製造していますが大きく「夏用・冬用」と「低粘度・中粘度・(高粘度)」に体系分けされます。クラック幅が狭い場合は低粘度、広い場合は中粘度・高粘度等、幅により使い分けます。
例 コニシ
E−206 低粘度(S=夏用 W=冬用)
Eー207 中粘度(S=夏用 W=冬用)
E−208 高粘度(S=夏用 W=冬用)(但し、この材料はシリンダー注入用としてはカタログに記載されていません)
その他 水中硬化可能な E−2800 等が有ります。
カタログはコニシのHPで入手出来ますが、IDを取得する必要が有ります。
コニシボンドのはくりシールONEは、シリンダー注入にはかかせない非常に便利なシール材です。注入後の撤去処理の時、シリンダーを手で回して撤去し、座金部分はハンマー等で数回軽くたたいて撤去。後は、はくりシールをじわじわ引っ張りながら剥がす。
打つ時の厚みさえ気をつければ、簡単に剥がれてくれます。(薄すぎると切れやすくなります)この商品については、WEBカタログが無く、材料の設計価格のみ表記されています。
はくりシールONE | 333ml | 1,500/本 | 20本 | 1液型 | シリンダー工法シール材 |
現在、「クラック注入」と言えば、コニシに代表されるシリンダー低圧注入器によるエポキシ樹脂注入が一般的だと思います。主に引っ張り強度復元のため、接着剤を注入します。低圧で長時間注入し続けるために接着剤の硬化時間は長く設定します。その他、圧縮強度復元に無収縮モルタル(デンカプレタスコン等)を注入することもあります。但し、無収縮モルタルの注入には、強固な型枠が必要になります。上部の写真に有るグラウトガンを使用することも有りますが、シリンダー低圧注入器が普及した現在では、その需要は少なくなっていると思います。(但し、浮き注入には、現在でもガンでの注入が主流です)
シリンダー注入の場合0.2mm以上のクラックに対応すると言われています。用途はクラックの接着、強度を復元し、二次的効果として水や空気を遮断します。この時使用する道具が低圧注入器、材料がエポキシ樹脂接着剤です。エポキシ樹脂接着剤は、扱いの難しい材料で、硬化後の暗部での安定や接着性能の高さに比べて未硬化時の扱いは、気温変化による硬化時間の変化や攪拌不足等の多くの不安定要素を含みます。又、紫外線で黄変しやすく、壁に流れ出した樹脂は、施工当初は気付かなくても徐々に黄変し、目立つようになります。コニシのWEBカタログ(PDF)がHPからDL出来ますが、無料の登録が必要です、お急ぎのかたはこちらから。又、工法の説明は「建築・土木工事用」の補強・補修工法からみる事が出来ます。
シリンダー注入の実行価格はどんどん下がり、施工業者⇒元受業者3500円〜4800円、元受業者⇒施工主4500円〜8800円くらいでしょうか。(シリンダーの価格が、350円/set,×5set=1750円、剥離シールが1本で3m打てるとして300円/m,材料が2700円/sとして850円/mですから、材料費だけで1mあたり2900円かかります。)
シリンダーの間隔はどのくらい離せば良いのでしょう。前にも記した「建築改修工事監理指針」4.3.3樹脂注入工法 によると
表4.3.2 注入孔の間隔
ひび割れ幅(mm) | 注入パイプの間隔(mm) |
0.3以下 | 50〜100 |
0.3〜0.5 | 100〜200 |
0.5〜1.0 | 150〜250 |
と言うことです。施工者はこの間隔を基本にしますが、実際には異なることも多いと思います。施工者が基本と異なる間隔で座金を設置するのは、
1.気温の高低による硬化時間の差異
2.クラックに枝分かれや出水時の白化のためクラックが埋まっている場合など
3.使用するエポキシ樹脂の粘度
4.予定した座金や手持ちのシリンダーの数量
5.調査時のクラック幅と実際の幅の差異
等が考えられます。1と2は、精度を上げるための現場での施工者の判断、3・4は精度が下がる施工者の怠慢。5は、施工者が差異にどう対処するかによって精度が上下します。その他、いけないことですが、ゼネコン等、親受けの指示で、「ここには、200本付ける契約なので、不必要でも、適当に数を合わせておいて」等と用も無いのにいっぱい付ける、なんてこともたまにあります。
このホームページに来られる方の多くはヤフーの検索サイトからです。その中に「エポキシ樹脂 剥がす」と打ち込んでここにたどり着いた方がいらっしゃいました。きっと、この方は望みの物が見つからずに早々に出ていかれたと思います。
例えば、シリンダーから漏れたエポキシ樹脂が流れて、壁面で固まってしまったら。硬化前のエポキシ樹脂は、「エポシン」(エポキシ用シンナーの略なんでしょう)で希釈することが可能です。しかし、一旦硬化したエポキシ樹脂は、この専用シンナーでも溶けません。多くの場合、次の2種類の方法を使用されているのではないでしょうか。
1.ディスクグラインダ(ベビーサンダー)で削る。カップリングと呼ばれるコンクリートを削るダイヤモンドチップの付いた刃を付けて削り取る。手っ取り早い方法ですが下地が塗装の場合等は、確実に痛みます。又、作業中は、体に悪そうなホコリが出ます。集塵機付きのサンダーか、手元君に掃除機を持たせ無ければいけません。
2.トーチであぶってカワスキやT型スクレーパーで削り取る。エポキシ樹脂は高熱に弱いので、トーチやバーナーで比較的簡単に柔らかく成ります。しかし、塗装剤も同じように熱に弱いので下地が塗装の場合やフィラなど樹脂の混入した扱き材は、剥がれたり焦げたりします。その上、あぶっている時に発生するニオイは、これも「体に悪るそう」な強烈な匂いです。
その他にも、リムーバー等剥離剤を使用したりいろいろ試しましたが結局、効果的な撤去方法を管理人は知りません。
クラックの補修方法の1つに「Uカット工法」と言うのがあります。低圧注入がコンクリートの強度復元を基本に考るのに対して、Uカット工法は、漏水の防止を基本に考えます。つまり、Uカット工法では強度の復元は有りません。よって、この工法の使用は、
1. 漏水や空気の流入によるコンクリートや塗装の劣化の可能性が有り、強度の復元を必要としない場合
2. クラックが何らかの理由で、現在、将来共にまだ動き、しかも現在固定してしまうと将来不具合(壁面の別の箇所に新たなクラックが生じる等)の発生する可能性が有る場合
等が考えられます。(他にも可能性があるかも知れませんが、今は思い付きません)
ちなみにUカット工法は昔、「Vカット工法」と呼ばれた工法で、現在でも私と同世代の人間は「Vカット」と呼んでしまいます。VカットがUカットに変わった理由は、接着面積の大きさです。どちらもクラック上をサンダーに取り付けたダイヤモンドカッターで所定の幅に成る様に削ります。この時、切削面がコンクリート表面からクラックに向かって直線に削るのがV,曲線に削るのがU,Uの方がクラックに向かう線が長く成るため、接着面積が多くなる。よって現在では、Uカット工法が主流になっています。カットしたコンクリートクラックに充填するのは、可とう性エポキシ樹脂や変性シリコン、ウレタン系、アクリルウレタン、etc・・・状況や部位、仕上げ方法等によって変わります。コニシボンドの場合は可とう性エポキシ樹脂=E-600等詳しくはHPで
E-600の場合、プライマーはE補修用プライマーを指定しています。そのほか仕上げとしてポリマーセメントを使用します。
建築物を根底で支える「鉄筋コンクリート」について大まかに説明しておきます。鉄筋コンクリートの特性で注目されるのが、その強度的役割分担です。建築構造物に要求される強度の内、圧縮強度をコンクリートが受け持ち、引っ張り(曲げ)強度を鉄筋が受け持ちます。極端に言えばコンクリートは引っ張る(曲げる)と破壊し、鉄筋は押すとつぶれるのです。この短所を補い合い強固な構造物が出来上がるわけです。
次に、コンクリートの塩基性(アルカリ)と鉄筋の酸化についてです。コンクリートの強いアルカリ性で鉄筋を包むことによって鉄筋が錆びるのを抑えています。又、線膨張係数が両者共1×10-5と近似のため気温差等による伸縮がほぼ同じで、伸縮差による破壊が起きにくいのです。
この様に鉄筋コンクリート(RC造)は元来優れた材料なのです。この優れた材料でも何かの要因でクラックが走り、強度が低下する可能性が有るのです。(コンクリートの中性化について詳しくは、こちらへ)
辞書によると、「クラック」とは、「壁や岩壁などの、裂け目や狭い割れ目。」だそうです。このHPではコンクリートに入ったひび割れを「クラック」と呼ぶことにします。最近、ビルの老朽化と共にクラックや剥落がクローズアップされるようになりました。「コンクリートにはクラックが有って当たり前」等と豪語する大手ゼネコン施工管理者も少なくありません。それほどコンクリート建造物には、このクラックがよく見られます。
では、クラックは「直さなければいけない」のでしょうか? クラックには、「直さなければいけないクラック」と「直さなくてもよいクラック」が存在します。例えば梁の下面に発生したクラックは補修の必要が有りますが、屋上床面のシンダーコンクリートに発生したクラックは多くの場合補修の必要は有りません。又、圧縮面に入ったコンクリート硬化時のクラックで浸水の可能性の無い場合も補修の必要は無いかも知れません。補修方法もさまざまで、現況・発生場所・大きさ・長さ等で補修方法は変わってきます。
ビルの外壁にクラックが有る=低圧注入とは限らないし、ビルの外壁にクラックが有る=Uカットシールともならないのです。コンクリートが剥離しているためにクラックが入っている場合など剥落の危険を考えれば、先に剥離部を撤去してしまった方がより高い安全を得られるかも知れません。
阪神大震災による特徴的なXクラック、窓と窓の間にX状のクラックが。
剥落の恐れのあるクラック(右の写真はクラックと言うよりは、剥離です)
現在、ビルの老朽化と共に外壁や屋上の改修が多く行われるようになりました。これに伴い新しい工事職種が生まれました。関西地方では「補修屋」と呼ばれるものです。(管理人は関西を拠点にしているため関東でこの職種がなんと呼ばれているか知りません。又室内のフローリングの床の傷を見えにくく補修する仕事も補修屋と呼びます。) 一般に外壁のクラックや剥離・剥落の工事は、外壁塗装工事の時に行う事が多いため塗装を行う前に下地補修を行うこの業種を「補修屋」と呼んでいます。マンション管理者(管理組合・管理会社)は、外壁補修を塗装工事として発注することが多く「補修屋」に直接工事を発注することは少ないようです。管理者への以来も多くがゼネコンと呼ばれる大手建設会社からの依頼です。この大手建設会社も専門の技術者を持つところは少なく、調査・工事共に「補修屋」に丸投げ(全てを任せる)する事が多いようです。
1. 注入が必要なクラック 耐震壁、梁の側面・裏面、柱、床(天上)、その他(庇の付け根等)に有る構造クラック
2. Uカットが必要なクラック 普通壁のクラック、漏水箇所のクラック、0.2mm以上の亀甲クラック等
3. 空気(水)遮断措置が必要なクラック 現状、クラックが細い(0.2mm以下)場合や亀甲クラック等はカチオン樹脂やポリマーセメント・EVA樹脂基材のパテ等で扱(しご)きます。
4. 撤去・復旧が必要な剥落 コンクリートや仕上げモルタルが落下した部分、又は落下しようとしている箇所。撤去し、エポキシモルタル等で成型復旧する。大きさや部分に因っては剥落部を撤去後、新設するエポキシモルタルを鉄筋やアンカー等で固定する必要が有る。
5. 注入やピンニングが必要な仕上げモルタルの剥離(浮き) 下地のコンクリートと仕上げモルタルに空隙が生じた場合。この空隙は、経年とともに広がる恐れが有る。補修方法は仕上げモルタルに穴を開けて(削孔)手動や足踏み式等のポンプでエポキシ樹脂接着剤を注入する。この時仕上げモルタルの厚み・剥離の大きさ等により削孔間隔(ピッチ)を変える(9箇所/uとか25箇所/uとか)。仕上げモルタルを貫通、下地コンクリートまで穴を開け、ステンレス3〜4mm直径の全ネジをエポキシ樹脂接着剤で固定する。剥離範囲の大きさによってこれらの工法を単体・複合で使用する。その他、注入方法には、点注入や完全注入も有る)
調査のほとんどの部分は、調査する人間の力量に委ねられています。前述の通り、元受けと呼ばれる建設会社に専門知識を持った人間が少ないため、元受けが調査を依頼した「補修屋」等の調査者の調査報告の内容を信じるしかないのが現状です。
調査は、「目視」と呼ばれる調査者の目を中心に行われます。クラックや剥落を探すことは、経験を積んだ調査者には容易なことです。剥離(浮き)も「打診棒」や「テストハンマー」等で直接「音」を確認し現状を把握出来ます。問題は調査が、適切に行える環境が有るかどうかです。
では逆に「適切に行えない状況」とはどんな状況でしょう。
1. 見えない 調査壁面までが遠い、建物の影になって目視で確認することが困難等
2. 触れない 打診調査のためには、その調査壁面に触る必要があります。
3. 時間が無い 至急提出が必要で、調査に時間を割く余裕が無い。
4. お金が無い 調査費の用意が無い。調査費は工事を発注するのだから払わない等。
1・2の場合は、仮設ゴンドラを設置する、高所作業車を設置する、足場を組む等で対応します。3・4は発注者に考えて戴くより方法が有りません。
現在でもビルやマンションの屋上は、アスファルト防水が主流でしょう。アスファルト防水は大きく熱工法と冷工法に分けられます。バーナーでアスファルトを溶かして何層にも塗り重ねた熱工法とシート状のアスファルト(ゴムアスファルトに粘着層を設けた改質アスファルトシート等)を貼り付ける冷工法が有ります。(大胆に分けています。冷熱やトーチ工法も有るのですが今回はシンダーコンクリートの説明なので・・・)
この屋上防水の熱工法で用いられるアスファルトは、熱で変形することを利用した防水工法で、不織布を何層か挟み込んだ継ぎ目の無い防水層を作れます。但し、熱で変形するため、気温の変化で大きく変形し、そのまま露出させた状態では、大きな伸縮を繰り返し、やがて破断・漏水してしまうと言う欠点が有ります。
シンダーコンクリートは、この大きく変形しやすいアスファルト防水の上に打つコンクリートで、変形を抑制する重しの役目を担います。下に防水層が有る為、コンクリートは水を止めません。この為クラックが有っても補修の必要は有りません。(もともと、クラックタイト等の目地材で2m角程に割って有ることがほとんどです。)厚さは色々ですが、100mm前後が多いようです。
町を歩くと、外壁に凹凸は無いのにヒビの補修跡がくっきり浮かび出していることが有ります。多くはUカット+コーキング+塗装後に浮き出たクラックの補修跡で「ブリージング」と呼ばれる現象です。この正体はコーキングが出す油分が塗装膜からにじみ出て、それに空気中のゴミやほこりが吸着し黒く浮き出したものです。最近では、AU(アクリルウレタン)やノンブリードタイプのウレタンや変性シリコン等、ブリージングを意識した材料も出回っています。(箱にノンブリードと書かれたものも有ります)
※「ブリージング」は、建築用語では、コンクリート打ち込み時の滲み(水の浮き=ブリージング試験)にも使用されています。本来、英語の「Breathing」=息・呼吸からの転用と思われます。
代表的なブリージング(壁面に浮き出したUカット+コーキング跡)
剥離(浮き)は仕上げモルタルとコンクリートの間やタイルと下地の間に起こる現象で、放置すると仕上げモルタルやタイルが剥離し、落下します。(もしもこれが通行者や住民に被害を及ぼすと(第三者障害)⇒所有者(管理者・組合・会社)書類送検or刑事事件等に発展する可能性も有ります。
鉄筋コンクリートの不良は、2種類に大別出来ます。1つは、その鉄筋コンクリートが作られた時に生じる不良。もう1つは、後発的に発生した不良。作られた時に発生した不具合にはコールドジョイントや表題の豆板等が有ります。後発の不良は、構造クラックや爆裂、剥離・剥落などです。
下の写真は、鉄筋コンクリートの製作時に発生した豆板(ジャンカ)を その当時補修せずにモルタルを被せてしまった結果、内部に水が入り鉄筋が錆びてモルタルを押し出し、剥落をおこした状況です。
これは、コンクリート打設時に型枠の隙間からコンクリート成分が流れ出したり、型枠と鉄筋の隙間が狭く骨材がそこで引っかかり液体化したコンクリートのみが下に下がって行ったり、そうなった時のために流動性の下がったコンクリートを流すために行うバイブレーションが足りないなどが原因と思われます。型枠を外した時にこの様な状況が確認された場合は、この豆板をチッパ(コンクリートを割る道具の一種)等でハツリ(割って取り除く)、モルタルやコンクリートで成型し直すのが通常ですが、例えば1、豆板が内部で発生していて表面からは見えなかった 2.見えていたが、監督が見ていない間に業者がモルタルで隠した 3.監督は見ていたがそのままモルタルで仕上げる様に左官に指示した。上の写真の不良は、築後、35年経って発見されたのですから、当時、この建築現場で何が有ったのかは知る由も無いのですが、鉄筋の被り厚さからみて1の「表面からは見えない」は考えにくい状況です。
この場合の補修方法は、ハツリ(チピング等)⇒錆び落とし⇒錆び止め塗布⇒モルタル仕上げ(Pモル等の軽量エポキシモルタルがより良い、高いけれど)⇒塗装仕上げ
上の写真からも分かる様に 豆板は圧縮に耐えるコンクリートの役目を果たせない脆弱な部分であり、新築当時に必ず直しておかなければいけない不良の1つです。
一般に言われる「樹脂モルタル」は、多くの種類を含んでしまいます。特に、左官工と補修工では、その内容が大きく違う可能性が有ります。
これは、古くから左官工が使用してきた「酢酸ビニール樹脂混入モルタル」に対して補修工が近年(と言っても20年くらい前からなんですが)主にコンクリート補修用に使用する「エポキシ樹脂モルタル」や「軽量エポキシ樹脂モルタル」をどちらも「樹脂モルタル」と呼ぶためです。
上記のモルタル剥離の補修材としてよく使用されるのは、コニシのPモルタルやKモルタル・Eモルタル、その他一般に「樹脂モルタル」と呼ばれているものも有ります。この中でよく使われる「Pモルタル」の特徴(良し悪し共)は、
1.接着性が良い 特に庇の下場等落下の恐れが有る部分には有効
2.強度がコンクリート同等である 引っ張り強度がコンクリートの数倍以上(と言ってももともとコンクリート自体引っ張り強度がほとんど無い)、 圧縮強度もコンクリート並み
3.変色しやすい 紫外線によって黄変しやすいため、露出で使用しない方が良い
4.火災時、有毒ガスが発生する 高熱で変形・燃焼する 室内での使用は控える
等です。
この他、施工者にとってはプライマーとしてE-208を使用出来るのも有り難い(但し、プライマーの粘度を落としたい時はE補修用プライマー等を使用する)。攪拌は長時間行えば粘り気が強くなり短時間だとパサパサになる。ある程度しっかり攪拌しないと強度に影響します。材料構成は、E-208主剤+硬化剤(と一般に呼ばれている)+Pモルタル骨材。混合比率は、208主剤2:硬化剤1:Pモル骨材9。必ず主剤と硬化剤を先に混ぜ合わせてから骨材を投入混錬する。又、必ず希釈は行わない。E-208はWと表記した冬用とSと表記した夏用が有ります。溶剤の添加はしませんが、未硬化状態であればエポキシ用シンナーで溶かすことが出来ます。(コテやプライマー刷毛の清掃に使用します)
調査⇒工法選定⇒ケレン清掃⇒座金設置⇒クラックシール⇒シリンダー注入⇒シリンダー・座金・シール撤去⇒(仕上げ)
コンクリートやタイルの外壁等の表面に白い汚れを目にすることが有ります。これは、白華(ハッカ)現象=エフロレッセンス=エフロ と呼ばれるものです。原因は、コンクリート内部の水がコンクリートの構成要素の1つである水酸化カルシウムが表面に流れ出し、水分のみが蒸発。その後、残留した水酸化カルシウムは空気中の炭酸ガスを吸収し、炭酸カルシウムになります。
コンクリート内部に存在する水酸化カルシウムは水に溶けますが、炭酸カルシウムは水に溶けません。問題は、「内部の水」です。何故内部に「水」が有るか?答えは二つ。1 コンクリート打ち込み時の残存水。2 外部からの浸水。1の場合は「よごれ」以外に大きな問題となることは少ないですが、2の場合は、コンクリートの劣化を早める可能性が有ります。
前述の通り、炭酸カルシウムは水に溶け無いため、汚れを落とすには専用の洗浄剤 (但しこの商品は筆者もまだ使用したことが有りませんので効果のほどは分かりません)や塩酸、又、身近なものでは、「サンポール」が有ります。(正規の使用法では無いので自己責任でご使用下さい。又、使用後は必ず清水で中和して下さい。)
開口部より浸水し、外壁クラックから出水。出水部分が白華。(新築ホテル1年目担保検査時)
マンション地下電気室壁面の白華。地下外部より漏水。(アブナイ)
(浸水による劣化については、後日アップする予定です。)
ちなみに工事関係者でも白華=白化と混同している方もいますが、白化はブラッシングとも呼ばれる塗材表面の艶が無くなることです。又、白亜化と言うのも有ります。これは塗装表面が白い粉がふいたような状態になることで、主に塗装の劣化の目安になるものです。(余談ですが、お宅の外壁を手で軽く撫でて見てください。手が白くなるようでしたらそれが「白亜化=チョーキング」です。)
現在、目地コーキングの撤去は、相変わらずカッターナイフで上下を切り、ラジペンの先の曲がったヤツで挟んで引っ張るといった方法が主流だと思います。誰かこの方法以外の良い方法をご存知無いでしょうか?電動のコーキングカッターやコンプレッサーを使用したエアチッパの威力もスピードとしては、もう1つって感じです。これがもっと手軽に早く撤去出来れば、相当な利益につながると思うのですが。どなたか、レーザーメスあたりの技術を応用して、武器を開発して下さい。
撤去の費用の算出も結局、概算(こんくらいもらっておけば足りるだろう)・実測清算等「やってみないと分からないから、足りなかったらもらうし余ったら返す」しかないのです。金額を見積もり段階で固定する場合は、バクチみたいに「ここがこれだけ剥がれるんだからきっと今とどかないところも簡単に剥がれるだろう」くらいの覚悟でエイヤッで金額をはじきます。結果、ためしに剥がしてみた部分意外はしっかりくっついていて、大赤字なんてこともよく有ることです。
剥落は、コンクリートの一部が何らかの原因で落下する現象です。この現象は、近年多くの建物で見られるようになり、補修方法もある程度、確立・整備されて来ました。(まだ多くの問題が残っていますが・・・)
コンクリート内部にある鉄筋は、周りのコンクリートのアルカリに守られて、錆びずにその質量を維持できるのですが、周囲のコンクリートの中性化が進むとともに発錆し出します。錆び=酸化鉄は、質量が2〜800倍に増加するため、この錆びの質量増加がコンクリートを押し割って落下=剥落に至るのです。もともと鉄筋コンクリートは、鉄筋が引っ張りに対応し、コンクリートが圧縮に対応する役割分担がなされているのですが、引っ張りに対応するはずの鉄筋が内部で質量を増やすとコンクリートがそれに引っ張られて剥離→落下に至ります。
コンクリート内部の鉄筋周囲が中性化するのは、1空気中の炭酸ガスの影響や2クラックからの漏水などが上げられます。
仕 様 書
外壁補修の仕様書や特記仕様での検索が多くなってきました(2011年7月現在)
2下地補修フロー
3調査・マーキング方法
4クラック処理フロー
5クラック処理方法
6浮き処理フロー
7浮き処理方法
8欠損処理フロー
9露筋処理フロー
カモ井のキャンペーン ドラゴンシリーズ1箱(小箱×10箱分)お買い上げにつき「ドラゴンカレー」を5コ、もれなくプレゼント
○2007.4. 5 「シンダーコンクリート」を追加しました
○2007.3.19 「白華現象」を追加しました
○2007.4. 7 「白華の画像」を追加しました
○2007.3.23 ブリージングのアップ画像を追加しました
○2007.3.19 「剥離シール」を追加しました
○2007.3.16 「低圧注入の材料」を追加しました
○2007.3.14 「低圧注入の工事業者」を追加しました
○2007.3.13 「シリンダーの間隔」を追加しました
コーキングの必需品、養生テープの会社、色々な場面を想定したラインナップが嬉しい。しかし、なぜ18mなのだろう?使用テープ量でシールのメーター数を計算するとき、1本が20mだったら計算しやすいのにと思う。そして、やっぱりHGは良いと思う。最近、G91が変わったらしい |
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コニシ株式会社 | 言わずと知れた、ボンドの会社。HPのアドレスも「bond.co,jp」です |
日本シーカ |
ひさしぶりにHPを見に行ったらリニューアルされてました。分かりにくさは、少し改善されてましたが工法は見つかったけれど、単体のカタログは、見つけられませんでした。(無いのかも・・・)HPのそこかしこに見られる「PDS」の文字は、実は「PDF」なのでしょう。でももしかしたら、日本ではありえないパブリック・ドメイン・ソフトウエアなのかも知れませんが・・・ |
トモサダ=友定建機 | 注入ポンプのメーカー、お世話になってます。長年形状もほとんど変わっていないようです。モルタルポンプやグラウトポンプもあります。 |
アサヒボンド工業株式会社 | スクイズ工法のメーカーです。 |
ショーボンド建設株式会社 | 風船式(バルーン=BLインジェクター)の「ビックス工法」、まだ使ったことが無いです・・・ |
サンスター技研 | さすがにシーリング材のラインナップは安定しています。まだ「産廃対策容器」は使ったことが無いです。 |
防水ジャーナル |
年間購読料15750円は高いか安いか?その他、防水・雨仕舞い専門新聞「ARS」や専門誌、防水施工技能検定問題集など |
月刊リフォーム | これもどちらかと言えば業者用専門誌。メルマガが全掲載されてます |
オルファ | カッターナイフと言えば「オルファ」 お世話になってます。 |
太平洋マテリアル カンタブ |
コンクリートの塩分を調べるなら「カンタブ」簡単で確実 |
特定非営利活動法人マンション長期修繕計画研究所 コンクリートについて | コンクリートの中性化について分かりやすく説明されています。 |
横浜ゴム ダイレクトシール工法の説明(一液型弾性エポキシ樹脂をクラックに直接注入する工法)≒コニシ ボンドOGS工法 | |
建材設備機器の情報ネットワークサイト 早稲田大学理工学部建築学科渡辺仁史研究室と、建材設備情報センターとのプロジェクトです。材料を探すのに便利ですが、情報を載せるのは有料なので全ての建材が載っている訳では有りません。 | |
日本シーリング材工業会 | シーリング管理士・シーリング技術管理士制度だって、知ってた? |
JW_CADのページ | 建築関係者でこのありがたいフリーソフトで生計をたてている人は多いはず。昔は建築系大学ではAUTO−CADで勉強し、卒業して、就職すると、このJW_CADを勉強しなおす人がいっぱいいました。現在大学でもJWかAUTOが選べる所もあるみたいです。又、ミリ単位で線や文字位置が指定出来、画像も貼れるので図面以外にも色々活用出来ます。シミズさん、タナカさんほんとにありがとうございます。そして、これからもバージョンアップなどよろしくお願いします。 |
日本ソセー | コーキング撹拌機のメーカー、(=ハードミキサー) |
モギリボンド ヤマザキ(株)ヤマザキ技販 | ネット販売(楽天市場)の材料屋さんです。コニシのボンドの商標がどーなっているのか、よく解りませんが、(モギリボンドは、ボンドじゃないからかな?)コニシのシリンダーを450円/本で売っている傍らで自社製のシリンダーを230円/本で売ってます。(100本セットは210円/本です)すごいと思います・・・ |
山本製作所 | コーキングガンのメーカー、オレンジガンと言うカートリッジガンで有名。最近はこれに似せたのがホームセンターに安く出てます。プロの多くは、本物を使ってます。やっぱり本物は信頼出来る。YCG−2300HC(カタログはこちら・部品図はこちら)は名品です。ただ、カートリッジの出し入れ時にリテーナの先っちょが引っかかるのでディスクサンダーで削って使っているのは僕だけでしょうか? |
テクノネットショップ | ヒルティ・ボッシュ・フレックス・ルペス・ラメロetc 海外・日本の電動工具のメーカーが大集合。他にも注入ガン・グリスポンプ・スクイズピンやらなんやらかんやら、ネットウインドショッピングとしてでも、道具好きには結構楽しめる。 |
HPに広告貼ってお小遣いを・・・今や当たり前のHPツールです。最低支払い金額は、777円/月からですがポイント交換なら、1円からでもOKです。ポイントは、ウェブマネーなんかに交換できます。
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この会社、道具や工具・建築材料等ののアフィリエイトが全然無いです。だから、広告載せたくても載せられないです。どなたか、道具や材料メーカーの方、クライアントとして登録をおねがいします。そしたら当HPでもささやかな副収入が・・・・ | |
突然、昔の本(マンガ)を読みたくなったら、ココで探してみましょう。 | |
「価格」について検索が多かったので、ここにUPします。価格は、元請け業者→ 発注者、下請業者→元請け業者やその数量によって大きく差が出ます。又、材料の値上げ等も価格に反映され、最近(2008.12月現在)材料の値上げも有ったので、参考程度に見て下さい。
ここに上げる価格は、今年の7月某元請け業者が、マンション管理組合に出した「競争入札を経て契約」を交わした時の価格です。
これから、注入・補修・シール・防水の道具(たまに材料も混ざったりします)をこだわりつつ、羅列してみようと思います。全部、ネットで買えます。
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